子どもが小学生になり、勝敗やタイムを競うスポーツに取り組む姿を見たり、
同じチームの保護者の方々の様子を見て、いろいろと思うことや感じることが増えてきました。
そんな時、たまたま目にした書籍「10代を支えるスポーツメンタルケアのはじめ方」(著:小塩靖崇 2024年6月25日発行)を読んで感じたことを書籍内の文を引用しながらご紹介しようと思います。
10代を支えるスポーツメンタルケアのはじめ方 [ 小塩 靖崇 ] 価格:1760円 |
目次
スポーツは誰のため?
今あなたのお子さんがしているスポーツを始めたきっかけを思い出してみてください。
そのスポーツは、親がやらせたいと思って始めましたか?
子どもがやりたいと言って始めましたか?
また、今あなたのお子さんはそのスポーツを楽しめていますか?
書籍を読んで、スポーツメンタルケアについて考える第一歩は、子ども自身が取り組んでいるスポーツに対してどのように考え、感じているかを知ることなのではないかと感じました。
勝たなきゃ意味がない?
行き過ぎた勝利至上主義
勝つためには子どもたちの心身の状況・健康さえも顧みることなく~
今から30年くらい前、強いチームのコーチや監督の暴言・暴力は当たりまえだったように感じます。
また、怪我をしていてもテーピングやサポーターでぐるぐる巻きにして大会に出たりというのも当たり前でした。
かく言う私も、高校時代(県ベスト4には入るくらいのチームに所属していました)、監督から〝殴られ役〟認定を受け、練習中でも試合中もよ~く殴られたり、蹴られたりしていました。(今こんなことしたら、すぐにニュースになりそうですよね)
負けたら終わりのトーナメントの試合ばかりだったので、当時は「勝つために練習して、勝たなきゃダメ」だと思っていました。
そんな環境でも、そのスポーツは好きでしたが、もう一回あの時間を過ごせと今言われたら苦しすぎて辛すぎて無理だと思います。
大学生になって違うスポーツをしたり、サークルで活動するようになって、「勝ち」にこだわる以外の楽しさを味わった充実感を思い出します。
スポーツをしている子どもではなく周りの大人が・・・
書籍の中にも、実際にスポーツをしている子どもより周りの大人の意識や考え方の影響が大きいということが書かれていました。
勝利の重みを感じているのが子どもたちではなく、指導する大人たちの場合たあり、それが拍車をかけている
・・・中略・・・
保護者の方も含めて「勝った!やった」で終わるのは分かりやすさを追求しすぎています。そうではなく、目標としての勝利に向かうプロセスを大事にすることで、それが変わるでしょう
・・・中略・・・
個々の人生を考えれば、生涯にわたってスポーツを続けることが健康においても人生の豊かさにおいても有益です。だからこそ、指導者が人生の早い時期にスポーツを嫌いになるような指導はしてはならないでしょうし、
多くのスポーツで全国大会が行われ、トーナメントと負けたら終わりの試合が多い中、勝ちにこだわるチーム、指導者、親が多いのは今までの日本のスポーツの歴史からしても仕方がない部分なのかもしれません。
ただ、社会が多くのことに寛容になってきている今が変わるチャンスでもあるのかな、とも感じています。
親の影響は大きい
チーム、指導者の影響もあるとは思いますが、やっぱり一番大きな影響を与えるのは親だと感じています。
書籍の中にも、「親の影響は大きい」ということが書かれていました。
子どもにとって保護者は、長い時間をともに過ごし大きな影響を与える重要な存在です
さまざまな知識・態度・行動、価値観や自己肯定感など、保護者から影響を受けます。
・・・
だからこそ、保護者がスポーツをどのように捉えて、どのように振る舞うかは、子どものスポーツへの関わりに大きく影響します。
まさに、先日子どもがチームメイトと3,4人で遊びながら練習していたところ、あるチームメイトに「そんな練習しても意味ないよ」と言われたそうです。
その話を子どもから聞いた時、
私は頭の中で、この言葉の中の「意味ないよ」の部分が気になりました。
言った子は、『誰にとって』『どう意味が「ない」』と言いたかったのかな?
言った子は、家庭で「そんなことやっても意味ないよ」と言われることが多いのかもしれないな、と感じました。
誰が、誰に、どのような考えで何を言うか
言われた方は、言われた言葉をどう受け止めるか
言われる言葉を選ぶことはできませんが、言われた言葉をどう受け取るかは自由だと思っています。
だから、子どもからその話をきいたとき「その子にとっては、きっと意味がないと感じたんだろうね」と感想を伝えました。
子どもがプレーする中でよいチームとは何か?
書籍の中で、「よいチーム」とはという話題がありました。
そこには、
子どもの成長を多面的に見て、認め合える環境を作っているチームです。
練習中の声の大きさは誰にも負けないとか・・・
そういったよさを大人がきちんと観察していて、それを言葉にして認め、そして子供同士でも「〇〇の声出しはすごいよね!」「わからないことがあったら△△に聞けば大丈夫」といった認め合える関係や信頼関係が築けているチーム。
と書かれていました。
チームスポーツでも、チームスポーツではなくても、一緒に同じスポーツをしている仲間のことを認め合い、信頼しあえるチームは素敵だと思います。
今、子どもが所属しているチームは人数も多く、保護者・子どもたち全員が認め合い、信頼しあえているかというと、価値観・考え方が違うこともあり、難しいと感じていますが、私個人的には、仲間を大切にして、一緒に高め合える環境で勝ち負け両方から学びながらスポーツに取り組めると良いなと感じています。
子どもが主体のスポーツへ
最近では、元バレーボール日本代表の益子直美さんが「監督が怒ってはいけない大会」を立ち上げたり、
サッカー 本田圭佑さんの監督・コーチ不在の4v4とか、
日本リトルリーグ野球協会が出した「全員出場義務ルール」で、ベンチ入りメンバー全員が打席に入ることがルール化されたりしています。
周りの大人の影響が大きく出てしまう子ども時代のスポーツだからこそ、子どもが主体のスポーツ大会も増えてきているように感じます。
レジリエンス(Resilience)の重要性
アスリートの3人に1人がメンタルヘルスの不調を経験しているという調査があるようです。
メンタルの面において、強さだけではなくレジリエンス(Resilience) 復元力・弾力性→回復・抵抗・再構成の重要性が書かれていました。
基本的な生活習慣(食事、休養、運動、睡眠)を整えることが大切とよく聞きますが、
睡眠を改善したらスリーポイントシュートの成功率が9.2%向上した
という内容が書かれていました。
テレビやYouTube、スマートフォンなど、ひと昔前に比べると子どもが夜更かししたくなる誘惑がたくさんあるので、睡眠時間・睡眠の質も意識して親子で会話しることも大切だと感じました。
まとめ
今回は、書籍を読んで感じたこと、思っていることをとりとめもなく書いてしまいました。
きれいにまとまっていない記事ではありますが、スポーツをしているお子さんを持つ保護者の方に少しでもお役に立てたら良いな、と思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!